Vol.2
地元に帰ってきている.
神戸はやはりいい街で, 海と山が両方見えるなんて欲張りな僕にはぴったりだと戻ってくる度に思う.
同時に, 少食な僕はきっと両方は味わいきれないのだから, 海のない街にあげたいなとも思う. 烏滸がましい話だ.
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又吉直樹氏の『劇場』を読んだ.
前作の『火花』があのように評価されて, 二作目を書くのは大変そうだと思ったけれど, 個人的に前作より緻密で, 繊細で, 良い作品だと思った.
構想自体はこちらが先にできていたらしいけどよく知らない.
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母校を訪れたら, 未来を信じた若者たちが本当に輝いて見えて, もはやここには僕の居場所がそのままの意味でも, 悲しいことに比喩的な意味でもないんだなあと痛感した.
それでもやっぱり自分は, ここで出会えた友人たちに生かされているのだし, 嫌いになることはないだろう.
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行きたかったライブにやっと当選した.
生きる糧を得るのもこのご時世大変なのだ.
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追い求めていたものを見つけると, 途端にどうでもよくなってしまう性格は本当に直さないといけない. 多分僕はもう初恋の人について話すことはない.
よくよく考えると僕の時計は高校2年生から進んでいないのかもしれない, というよりきっとそうである.